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Échec Complet

ゲームの話や商品レビュー、日記、雑記

シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章(ゲーム) 感想

アージュマブラヴオルタネイティヴのスピンオフ小説「シュヴァルツェスマーケン」のゲーム版「シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章」をクリアしました。

 

マブラヴオルタの約20年前、東ドイツの部隊を描いた作品です。

 

ネタバレが知りたいという人は、小説の公式サイトへ行ってみてください。

http://schwarzesmarken.jp/schwarzesmarken/story01.html

あらすじが1話~最終話まで全部書いてあり、1個ずつ見ていけばほとんどの内容を把握できます。本当にネタバレしてるのでお気をつけを。

 

シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章

シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章

 

 

以下はゲーム「紅血の紋章」の感想です。

 

冷戦下の東ドイツを舞台としている上に、主人公はかつて亡命に失敗して拘束された過去があったりと、BETA以外の問題が山積している本作。

オルタでもBETA大戦の裏の政治的対立というのが散々描かれていましたが、この時代の社会主義国は自国内でもかなり厄介な問題が山積しています。

誰も政府に文句を言えないし、言ったら国家反逆罪で投獄される。それどころか公の場で自由に発言することすらできない国。教育の名の下に社会主義の絶対性を国民に植え付ける。そんな国に生まれた人たち。

実際に存在した東ドイツの秘密警察『シュタージ』が登場して、味方も信用できない状態でBETAとの戦闘に備えて戦々恐々としながら日々を過ごす。このあたりの描き方はさすがだなと思います。

WTOとNATO国連が協力してBETAと戦っていながらもそれぞれの思惑が介在していて足並みが揃えられないというもどかしさがあります。

難民を兵士にしているといった人道上の問題に触れているのも良いと感じました。

 

個人的には、シュヴァルツェスマーケントータル・イクリプスよりは面白かったです。(PC版の「帝都燃ゆ」は除く。)

シュヴァケンは自分が見たかったマブラヴの外伝という感じがしました。

ただし、トータル・イクリプスのようにオルタネイティヴにも出てくる要素が散在していることへの興味ではなく、単純にシュヴァルツェスマーケンの、東ドイツとヨーロッパの戦線、内情を描いているところの面白さです。

 

アージュのrUGPもシリーズを重ねる度に進化していて、今回のバージョンでは演出面は本当に良く出来ていました。やはりこれがあってのマブラヴだなと思います。戦闘の緊迫感やリアリティは相変わらずでした。

 

そういえば、第1世代機のMiG-21でもかなり戦えるんですね。優秀な衛士ばかりだからなのか。

ちょうどこの時代あたりから第2世代戦術機の導入が始まってるようです。

 

マブラヴは戦争の苛酷さや辛さという部分を強調していて、それが良い部分でもあったのですが、シュヴァルツェスマーケンだとキャラクターたちがBETA戦争に慣れすぎてますから、その感覚はアンリミテッドやオルタネイティヴとは少し違いますね。

オルタネイティヴのような戦場の恐怖と緊張みたいなものはあまりないんですよねシュヴァルツェスマーケンには。その違いでしょうか。

 この後もうちょっと大きな作戦があれば面白くなりそうですね。期待してます。

 

さすがにアンリミテッドやオルタネイティヴには遠く及ばないかなという印象。

個人的には、マブラヴマブラヴオルタネイティヴの面白さは白銀武と香月夕呼の2人の存在にあると思うので、ああいった好奇心をそそるような展開がないのは仕方ないです。もちろんマブラヴでは主人公の心の動きを精妙に描いていく部分の凄さもあるのですが、シュヴァルツェスマーケンはそれほどでもなかったので、作品としてのベクトルはやっぱり全く違う印象です。

 

テオドールの立場が立場なだけに、父を探すために西ドイツから東ドイツに戻って来たカティアは本当に衛士の訓練受けたの?っていうくらいのアマちゃんに思えてしまうキャラです。もしかしたら、アンリミテッド編の最初のほうのタケルもあの世界の他の人から見たらこんな風に映っていたのかもしれませんね。

 

まあ、そのカティアの父親東ドイツで反乱分子として処刑されてますから、またややこしい問題に発展するわけです。

技術的な面ではなく精神的な部分での甘さがカティアにはあります。だからクシャシンスカを怒らせるのでしょう。そのシナリオがあったからまだ許容できましたけど。ある意味、これからのカティアの成長というのも注目したい部分です。とはいえ、海王星作戦で急に成長したな・・・人が変わったかのごとく。

 

海王星作戦で666中隊が戦果を上げて、西側の新聞に英雄として取り上げられて、それを見たテオドールたちがカルチャーショックを受けるみたいな展開があって、個人的にそのあたりが好きなシーンでしたかね。

 

主人公のテオドールは自分が受けた拷問のトラウマのせいもあり、腹の底では東ドイツの政治に憤りを感じていながらも、保身を第一としている節があります。特に序盤から中盤はその傾向が強く、主人公としては面白い立場と思想を持っているといえます。

当初は、自分ができなかった西への亡命が出来たにも関わらず東に戻って来たカティアに怒りを覚え、保身のため彼女を密告すべきかどうか悩みますが、徐々に感化されてその考えが揺らいでいく、というのが本作の焦点の一つになるかと思います。

  

キャラクターですが、個人的に狙った感じのデザインのキャラがあまり好きではないんですよね。妹のリィズは出てきた時から完全に受け付けなかったです。スパイ疑惑関係なく。義妹ってのがね・・・。結局、リィズがシュタージに所属する具体的な要因なんかも次回作の「殉教者たち」にお預けでした。

 

キャラクターは、マブラヴの時は突き抜けてたんで全然気になりませんでしたけど、シュヴァルツェスマーケントータル・イクリプスはちょっと狙いすぎな印象を受ける時があるのがマイナスポイント。TEよりはマシかな。

 アネットとかグレーテルとかヴィヴィあたりは好きなキャラでした。それでも気に入ったキャラクターというのはいませんでした。

あと、女性率高すぎませんかね部隊。オルタは00ユニットの素体という理由があったから納得できましたけど、今回は腑に落ちない。

 

曲名は忘れたんですが、エンディング曲がかっこよかったです。サビの部分に壮大なコーラスがついていて。Evan Callさんのサウンドトラックも世界観にあってます。

 

なにはともあれ、BETAと人類が戦争してるけど人間同士でかなり足を引っ張り合ってる感じというのが全面に出ていてそれなりに読み応えはありました。

 

結局、シュヴァルツェスマーケンの10年後にはヨーロッパはイギリスとアイスランド以外全滅しますが、ある意味それだけ耐えたという意味ではその歴史を知るのは面白いかもしれません。

80年代は反撃に転じるというよりも、戦力を消耗しながらBETAの進行を遅らせてるだけですからね。それでも食い止められないわけですが。

個人的には明星作戦とか錬鉄作戦とかもっとゲームで見てみたい出来事もあります。

 

オルタネイティヴでもそうでしたが、人類はBETAに滅ぼされかけているにも関わらず、万が一BETA大戦が終わった時の世界の勢力図や利権を考えずにはいられないという皮肉があります。だからこそ、香月夕呼博士は計画の成就のためにあれだけ冷酷であり続ける必要があったわけです。

BETAに地球を侵略されていても、人類の最大の敵は人類かもしれない・・・そんなテーマが常に付き纏う。シュヴァルツェスマーケントータル・イクリプスも、オルタネイティヴもザ・デイアフターにも通じます。

 

紅血の紋章を10点満点で評価するならくらい。続編の「殉教者たち」が楽しみです。要するに、続きをプレイしてみないとなんとも言いがたい。

アニメも楽しみにしておきます。

 

ドイツ語音声のPVです。

 

いつか錬鉄作戦ゲーム化してくれないかな・・・

 

  

シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章

シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章